【名優たちは】ジョーカーの呪い【伝説を生む】
2016/8/5アメリカにて、『スーサイド・スクワッド』と言う映画が公開されます。
ご存知の方も多いかと思います。
その内容はというと、アメリカ政府が、難解な極秘任務や非る人道的な任務を遂行するために犯罪者ばかりを集めたチームを編成するという内容です。
この『スーサイド・スクワッド』実は、アメリカのコミックが原作で、MARVELコミック(アイアンマンやスパイダーマンでおなじみ)に並ぶ大手アメコミブランドDCコミック(スーパーマンやバットマン)から生まれた物です。
なので、作中で集められる犯罪者チームて、ご想像通り色々なコミックに出てくる有名な悪役にて編成されたチームというわけです。日本の漫画ではなかなか実現できない設定ではないでしょうか?
左・映画スーサイド・スクワッドより:suicide squad–Official Movie Site右・コミック・スーサイド・スクワッドより:movie pilot
映画の内容は非公開となっていて、詳しいストーリーは現在不明です。
政府からコミックの悪役チームにか課せられるミッションとはどんな物なのか気になるところです。
●世界を魅了する悪役たち
悪役に引かれるという経験、誰でも1度はあるのではないでしょうか?
もちろん私も漫画の主人公やヒーローと同様に、その敵役である悪役たちにも憧れを抱いた経験があります。
スターウォーズのダースベーダーやドラゴンボールのべジータなんかがその最たるものです。
そして『スーサイド・スクワッド』にも私が大変憧れたカッコイイ悪役が登場するようなのです!
その悪役とはバットマンシリーズでおなじみ、
ご存知『ジョーカー』です!!
DCコミック、バットマンにて、主人公バットマンの宿敵ジョーカー:newsarama.com
DCコミック、バットマンにて登場する道化の格好をした犯罪者のリーダーで、主人公バットマン一番の宿敵であり、同時にアメコミ史上最も有名な悪役の1人です。
私がその魅力に取り付かれたのはなんといっても、1989年、ティム・バートン監督作品の映画『バットマン』に登場する『ジョーカー』がきっかけです。
なんとこの『ジョーカー』ハリウッドきっての名優、あのジャック・ニコルソンが演じているです。
1937年アメリカ生まれの俳優。俳優のほかにもプロデューサーや映画監督としても活躍している『イージー・ライダー』や『カッコーの巣の上で』『シャイニング』『愛と追憶の日々』など、数々の映画に出演する、アカデミー俳優。
左・名優ジャック・ニコルソン:Jack Nicholson Online 右・ジョーカー演じるジャック・ニコルソン:davidnicksay.com
そのビジュアルはもちろん、彼が過去にそれぞれ主演を勤めた『シャイニング』と『カッコーの巣の上で』を思い起こさせる、何とも異質な悪役キャラクターに仕上がっていて、私には大変カッコ良く映りました。
それから19年後ジョーカーと言う役は、さらなる極みに達します。
2008年公開クリストファー・ノーラン監督作品の『ダークナイト』に登場するヒース・レジャー演じる『ジョーカー』は圧巻です。
ジョーカーと言うキャラクターが云々ではなく、それを新しく見事に表現したヒース・レジャーの演技に脱帽といった感じです。
1979年オーストラリア出身の俳優。ハリウッドデビューした当初はアイドル路線でしたが、本人の希望により演技派として路線変更。その後『ブロークバック・マウンテン』でアカデミー主演男優賞ノミネートするなど若手演技派俳優として注目を集めました。左・名優ヒース・レジャー:Entertainment Weekly 右・ジョーカー演じるヒース・レジャー:juninoa
●『ジョーカー』の呪い
さてさて、冒頭からアメコミ映画や漫画キャラの話など
長々と書き連ねていますが、ここからが本題です。
実はこの『ジョーカー』と言う役柄、名優ヒース・レジャーが演じたことによりある都市伝説が付いて回るようになります。
それは、『ジョーカー』の呪いと呼ばれる物です。
『ダークナイト』のキャスティングが決まった際、ヒース・レジャーが『ジョーカー』を演じることに世間のファンの評価は散々な物でした。
しかし実際公開されるや、酷評したファンはヒース演じるジョーカーに何も言えなくなった事でしょう。
先にも述べたとおり、ヒース・レジャーの演技は圧巻でした。
そしてその翌年、ヒース・レジャーはジョーカーの役でアカデミー助演男優賞に選ばれます。
しかし、彼はオスカー像を自分の手に抱くことはありませんでした。
実はその前年、2008年1月22日、28歳と言う若さでこの世を去っていたのです。
それは、オスカー候補どころか『ダークナイト』公開前の出来事で、クランクアップこそしていたものの、厳密には、まだ完成すらしていませんでした。
●呪いと伝説をを残した名優
彼は、この『ジョーカー』を演じるにあたり、一ヶ月間ロンドンのホテルにひとりきりで閉じこもり、ジョーカー独特の声や笑い方など圧倒的な役作りで撮影に臨んだとのこと。
監督のクリストファー・ノーランは、その仕上がりに恐怖すら感じたと話しています。
その役作りは精神的に彼を追い込んでいたと噂されています。
『ダークナイト』出演に際してのインタビューでは、不眠症となり、「とても疲れているのに二時間程しか眠れない」と睡眠薬服用を公言していたそうです。
さらに、ティム・バートン作品でジョーカーを演じていたジャック・ニコルソンがジョーカーを演じるにあたり、「キツいからやめておけ。」「この役を演じる時は気を確かに。」
などと、ヒース・レジャーに忠告していたと言われていて、さらにヒース・レジャーの死後に「だから言ったのに」とマスコミのインタビューにコメントしたと言い、
(ただし、死後のコメントは、睡眠薬の服用についてへのコメントだったと言っています。また、そのころヒース・レジャーは、プライベートでの問題(自身の婚約解消と別居)に悩んでいたと推測されていて、そのことも不眠などへ影響していたと考えられています。
ヒース・レジャーの死因は急性薬物中毒と言う見解なのですが、これも当時患っていたインフルエンザの薬と睡眠薬の併用に原因があると言われています。)
これらのことなどから、ヒース・レジャーは、『ジョーカー』と言う役にのめりこみすぎて急死したと言う噂が立ちました。
そこから、『ジョーカー』と言う役を演じることを危険視する、『ジョーカー』の呪いなる都市伝説が誕生しました。
呪いへの信憑性はわかりませんが、彼がこの役にかなり没頭していたことは間違いく、また、キャスティング時の自分への酷評と、ジャック・ニコルソン演じる先代ジョーカーへの高い評価が、彼をさらなる役作りへの追求に駆り立てたのかもしれません。
しかもその役は、全米コミック並びにコミック映画史随一の狂気のキャラクターです。そのことで心身へ何らかの影響が出てた可能性も否定できません。
ただ、結果としてそのことが多くの人達を魅了する、あの『ジョーカー』を生み出しました。
そして、そのことがオスカー受賞へと導いたと言っても過言ではありません。
第81回アカデミー賞「ダークナイト」で助演男優賞に輝いた。2009年 ロイター/Gary Hershorn
また、この役でヒース・レジャーはオスカーだけでなく、その年のゴールデングローブ賞 助演男優賞、英国アカデミー賞 助演男優賞など主要映画賞を総なめにしています。
何より救いなのは、彼が亡くなる前に『ジョーカー』と言う役について「今までで一番楽しい役だった」と語っていることです。
きっと、命を削るようなその役への執着は、演じる側にとってみれば、大変充実したまさに、命を懸けるに値するやりがいのあるものだったのかもしれません。
●新たな伝説を作るのか?呪いの行く先は?
そんな、曰く付きのキャラクター『ジョーカー』ですが、冒頭で紹介した通り『スーサイド・スクワッド』にも登場します。
『スーサイド・スクワッド』にてジョーカーを演じるジャレッド・レト※デヴィッド・エアー公式ツイッターのスクリーンショット
今回、『ジョーカー』を演じるのは、ジャレッド・レトと言う俳優が演じるのですが、この方もストイックな役作りに定評のある実力演技派男優です。
過去、『ダラス・バイヤーズクラブ』という、エイズにかかったトランスジェンダーを演じるために18kgも減量し、その役でアカデミー助演男優賞を受賞しています。
もうすでに『ジョーカー』役にどっぷり浸かっているらしく、それを窺わせる逸話がちらほら・・・
『スーサイド・スクワッド』を手がけるデヴィッド・エアー監督は、撮影にあたり、異常な犯罪者を演じるキャストたちのためにセラピストを用意しという話もあります。
さてさて、どんな作品になるのか?どのような『ジョーカー』が登場するのか?
そして『ジョーカー』の呪いの行くへは?・・・
『スーサイド・スクワッド』、日本では2016/9/10公開が決定しているそうです。
期待したいですね。