不思議神様

【不思議な話】猿の恩返し




怖い話や不思議な話をご紹介する中で、熊や狐など動物が絡む話をいくつかご紹介してきました。
今回ご紹介するお話は猿が登場する話です。少し不思議でメルヘンチック(?)な話です。

自分は造形っつーか、まぁミニチュアフィギュアを作るのが趣味で、休み前に気分が乗ると徹夜で没頭したりする人間なんだわ。

忘れもしない3月5日

この日は乗りに乗ってて日が昇るのも気が付かないくらいに没頭してたんだよ。

ちょっと造形が一段落して乾燥がてら一服するかなーと横見たら、作りかけとかジャンクパーツ入れてある箱に見覚えあるような無いようなモデルが入ってたのね。

と言っても肩から袈裟切りされたようなラインで割れてて噛み合わせてもガタつきが酷い。

さっきまで没頭してたもんだからそのままのテンションで
「前に落としたか何かで壊して放置したんかな?まぁ興も乗ってるしやるか」
と作業開始。

ただなんつーか弄れば弄るほどおかしい。

樹脂製でも無いしホワイトメタルとかでもない、強いて挙げればグレイスカルピーが近い感じか。

そうなると自身で作ったか、同好の士から買ったか譲り受けたか・・・

でも自分の周りでそのモデルのような感じ
(お寺とかにある阿吽像みたいな鎧っぽい奴で頭部が猿)の物を作る人間が居ないんだよね。

しかもコレでもかって位にディティールが細かい。

そんな事考えてもまぁあるモンはあるんだし
作った覚えは無いから買ったか貰ったかしたんだろwと没頭。

四苦八苦しながらなんとか割れ・欠け修復完了。

キリも良いし昼飯前に寝ようと思い、そのモデルは乾燥前にズレないように固定して布団に入った。

どれくらい寝入ったか分からないけど、ふと騒がしいなと寝ぼけながら起きたら、床で猿がドタバタしてるのよ。

あぁ夢だなこりゃwwww初明晰夢がコレかwwwwwwと自嘲しつつ猿見てたらこっちに気が付いたようで、ジェスチャーというか腰の所を指差してる。

よく見れば丸太に腹~脇あたりまでグルグル巻きにされててどうやらソレを外して欲しいらしい。

思い返せば寝る前に直したモデルもそんな感じで固定したなwww
その所為でこんな夢になったかwwwwって、猿をハイハイと宥めつつ鋏で切って開放。

んじゃ寝るか、いやこの場合起きるかか?って考えながら布団に入ろうとしたら猿が袖引っ張った。

未だ何かあんのか?と聞いたら肩からの袈裟切りラインを手で摩りながら凄い勢いでお辞儀。

お辞儀通り越してもう土下座に近い事何度も繰り返してるのよ。

直した物に夢で感謝されるって自意識過剰なのか俺・・・
みたいに思いつつ、あぁまぁ直って良かったねぇとか話し掛けてた。

んでまぁそんなに何度もお礼?しなくて良いからと止めて布団に入った。

起きたのはもう夜も深けて9時だとか10時。

何処ぞの話みたいに夢から起きたらまた夢でしたって落ちじゃないだろうなぁと笑いながら、夢の事もあって猿モデルの乾燥確かめようとしたら、無い。

というか置いた場所から離れたとこに固定に使った棒と鋏・・・・

いやいやコレは無い 無いにも程がある いやでもどうなんだよコレと混乱。

けれど深く考えても分かりっこ無いし面白い経験って事で納得するしかなかった。

んでそれから数日、変なこともあったもんだなぁと過ごしてたとこに先の東北大震災が来た。

自分は関東圏なので何だこれスゲェって状態(しかし職場はPC落ちたりと酷い状態にorz)
だったんだけども避難も終わり、取り合えず大きい余震も無さそうだし職場を少し片付けて今日はこれで上がり+定休含めて3日ほど休みとなった。

びっくりしたのはそれから後。

家に戻り家具とかチェックして、特に被害無し!と両親も揃ったところでTV付けて地震情報みると震源地が東北。

んでもって両親の田舎がドンピシャ福島。

両人とも凄いテンパリ具合で親戚一同に連絡しようとするも当然の如く繋がる訳が無い。

それから2日間、続々と無事だという連絡があって最後の一人(伯母)から連絡が来た。

その時はもう夜も遅く、ここ数日間で疲労してるだろうと両親は早めに寝かせたので自分が連絡を受け暫く話していた。

なにやら地震直後、隣家の屋根から瓦だかが降り注ぎ、面していた壁やガラス戸が全滅したらしい。

そう聞いた自分は良く無事だったねぇ良かった良かったと言っていたんだけども微妙に伯母の喋りが歯切れ悪いのに気が付いた。

もしかして何かあった?怪我でもしてる?と聞いたんだけども掻い摘んで書くとこんな感じで助かったらしい。

「地震起きる直前、コタツに引っ張り込まれて仰天してたんだけど目の前見たら猿が居た」

「外に出ようとしても離してくれず、凄く怖かったけど直ぐに地震が来て目を離した瞬間に消えていた」

「大きいのが収まって外に出ようとしたらコタツ布団が持ち上がらず、埋まったかと思ったが反対側から出られた」

「引っ張り込まれる前に座っていた所には割れたガラスの大破片が深々と刺さっていた」

九死に一生なとこにも驚きだけどそれ以上に猿ってキーワードで驚いたそして伯母が追い討ち「肩から斜めに毛が禿げてた」

そっから自分が体験した事も話したんだけども何かしら恩返しがしたかったんじゃないかという事に落ち着いた。

ソレが何だったのかは分からないけど、伯母が言うには「あんちら様の眷属かなんかだろう」って事みたい。

その日はそれで終わり次の日に連絡取れた事を両親に報告し、落ち着いたら片付けに行こうとなった。

5月に入り両親+自分で親戚中の片付けに回っていたんだけど、檀家の確認してたっぽい坊さんと目が合った瞬間に仰天されわ・・・・

ちょっ!って引きとめようとしたらソソクサと逃げられたんだが、何だったんだ。

てか何か?後ろに件の猿でも居たのか?と何やらモヤモヤしている今日この頃(‘A`)
以上、長々と吐き出しすんませんでした。

こんな話がきっと遠い未来に「むか~し、むか~し」なんて語られて、新たな日本昔話の1つに加わって行くのでしょうね。

『今昔物語集』では、美作(岡山県)や飛騨(岐阜県)の猿の神様に生贄を供える説話が記されていたり、猿は古くから山の神として崇められていたようです。

現在でも有名なもとしては、滋賀県大津市坂本に本宮を構える日吉神社。
ここに祀られている神様の眷属がお猿さんで、猿神として崇められています。
今回の話がこの猿神さまと関係があるのかはわかりませんが、古くから伝わる由緒正しき眷属です。

余談ですが、この猿を眷属とする日吉神社の神様はもともと日本古来の土着の神様だったのですが、無理やり違う神様に入れ替え、
現在に至っているふしがあるともっぱらの噂です。
権力のなせる業と言ったところですが、そのもともとの土着の神様、現在ではあまりポピュラーな神様では無いものの、実は古くから
この国を守って来たであろう大変権威のある神様です。

結局、恩返しを含め、ご利益や人々を救ってくださるのは権力によって担がれた神様ではなく、現在ではその存在を隠されているとはいえ、古から国の成り立ちを見守って来てくれた神様なのかもしれません。



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