【奇怪】バッタの群れの中に奇妙な物を見た
イナゴ(蝗)の大群が、農作物を食い荒らし被害が出るなんて話、歴史の記述や、近年のニュースなどでも、伝えられ、みなさんもご存じかと思います。
この大群を形成するイナゴは、じつはバッタで、厳密に言うとイナゴとは違うのだそうです。
トビバッタとかワタリバッタとか言われる種や、日本でもおなじみのトノサマバッタなどが、それにあたるのだそうで、あの大群を成すバッタを、飛蝗 (ひこう*バッタとも読みますが) と呼ぶのだとか。
大群を形成するバッタの仲間は、周りにあまり同様の種がいない低密度の環境で育つと孤独相 (こどくそう)と呼ばれる、普段おなじみの緑色の形態に成長し、逆に、高密度下で育つと群生相 (ぐんせいそう) 呼ばれる形態の成虫になるのだそうです。
そして孤独相と群生相のバッタとでは、同じバッタとは思えないほど見かけが異なるんだとか。
群生相として育ったバッタは、体の色が黒っぽくなり、バッタの特徴である大きな後ろ脚は短く、その分、羽根が大きくなるそうで、飛ぶのに非常に適した体型となるそうです。
古くは旧約聖書にも飛蝗に擬えた記述があるように、古くから世界各地で起こっていた自然現象です。
近年では、計画的な害虫駆除などにより、珍しい現象となっているようですが、それでも現在でも中東やアフリカなどをはじめ、まだまだ被害が出ている様です。
そんな、バッタの大群にまつわる話です。
亡くなった祖父が体験したこと。
戦争前。
大学出てそのまま大陸の鉄道会社に就職したそうで、重慶付近だったかどこだったか、
とにかく大陸でのこと。
あるとき、祖父の住んでいた町の近くで蝗の大発生が起きた。
当時、この地域は何年かに一度こうした異常発生にみまわれたらしい。
蝗の大群は田畑の作物をことごとく食い尽く
してしまい、食料不足・飢餓も起こったという。
そしていよいよ祖父の住む町にも蝗の大群がやってきた。
家の窓という窓を締めきり、蝗が入ってこないようにして、ただただ通り過ぎるのを待つ。
祖父にできることといえばそれだけ。
ただ窓越しに蝗を見つづけるしかなかった。
蝗の群れのなかに祖父は変なものを見つけた。
それは異常に大きな蝗。
蝗の体長なんて知れたもの。
大きくても数センチくらいのものである。
しかしその蝗は桁ひとつちがった。
子犬くらいの大きさはある巨大な蝗が飛んでいた。
しかも体の色は燃えるように赤い色だった。
祖父は大きさよりもむしろこの色で巨大蝗に気がついたという。
祖父は同僚もその蝗を見たということを後日知る。
しかも同僚は複数匹が群れて飛行していくのを見たらしい。
祖父と同僚は自分たちの見たものが信じられずいろいろ調べたが、そんなものが載っている資料は当然なかった。
地元の中国人に聞いたりもした。
同じようなものを大群のなかに見たものはいたのだが、それがなにか説明できるものはいなかった。
不可解な体験、謎な話~enigma~ Part13
飛蝗による食料への被害は、人間はもちろん家畜や、その他、自然の植物にも影響を及ぼし、そこに暮らす者の命を脅かす現象といえます。
群生相へと成長したバッタは、容姿だけでなく体の内部構造さえ通常とは異なる変化を見せ、その生態も凶暴性を増したものになるのだそうです。
この自然現象、古代メソポタミアでは魔神の権化とされたり、黙示録の世界の終末にも飛蝗を模した怪物が出てきます。
日本でもホツマツタエと言う太古の記紀にて、その現象を特別な祝詞で祓った記述があり、太古から恐怖の対象として扱われています。
ただの自然現象では片付けられない異様な力が働いている、そんな気にさせてくれます。