【旧約聖書】太古の地球に巨人は存在するのか。【大洪水伝説】
2014のこと、「World News Daily Report」というニュースサイトにこんな内容の記事が載りました。
「スミソニアン博物館が人類の誕生と発展に関する伝統的理論を守るため、巨人族の存在を証明する証拠を隠蔽。アメリカの最高裁がこ情報を公開するよう命令を下し、2015年中に公表する。」といった内容です。
もっとも、まったくのデマなのであわてずに。この「World News Daily Report」は、このような内容の記事をあえて掲載するサイトで、サイト内にも「不完全な情報を含む」「風刺・フィクション」と明記されています。
当時、この記事を真実として紹介したサイトがあり、一部で騒ぎが起きました。ご存知の方も多いと思いますが。
なので、巨人なんていません。・・・などと言ったらつまらないので、とりあえず世界でささやかれている巨人存在説の情報を少し見てみましょう。
●世界各地に残る巨人を思わせる痕跡
1833年アメリカのカリフォルニア州ランポック・ランチョンでれき岩層の中から発見された巨大な骸骨が見つかる。推定身長は3m60cm。
1869年アメリカのニューヨーク州カーディフのある農場で井戸掘りの最中に3m16cmの巨人ミイラが発見される。
1891年アリゾナ州で巨人の墓と思しきものを発見。長さ4m近い花崗岩製の棺で、中に3m60cmの巨人ミイラが収められていた。
1986年メキシコのプエブラ州とベラクルス州の境に位置するシトラルテペトル火山のふもとで、高さ約50cmの頭蓋骨と頸骨と見られる骨が発見された。
南アフリカで巨人の足跡が見つかった。(科学的調査の結果2億年前のものとも・・・?)
上記のように、発掘・発見されたものの他、16世紀から18世紀にかけて探検家や船乗りの中である噂がささやかれていた巨人族パタゴンや、全世界に残る伝説伝承など色々出てきます。
左:南アフリカの巨人の足跡 右:パタゴニアにいたと言われる巨人族パタゴン
なので、巨人は、います。・・・とは、もちろん言いがたいのですが、今回ご紹介したいのは、巨人が存在したか否かよりも、存在を考えたときに見えてくる
太古の地球環境に関する、ある考えなのです。
●太古の地球を包む膨大な水蒸気
太古の地球の大気には、地球を形成した鉱物に蓄積されたガスによって生じた大量の水蒸気の層が地球を覆うように存在していたという説を唱える方々がいます。
それによると、空気より軽い水蒸気ははるか大空の外、成層圏の位置に厚い層を作っていたといいます。ガスから生じたそれ以外のさらに軽い物質は、太陽風などの影響により地球外へ消えていったそうです。
そのせいで当時の大気の気圧は現在の倍になっていたと考えていて、そのおかげでプテラノドンを代表とする大型の翼竜や、大型の昆虫が飛ぶことができたといいます。また同時にそのこと自体が、水蒸気の層の存在の科学的根拠になるともいってます。
翼のはばが10mともなるプテラノドンのような大型の翼竜が空へ飛び立つには、そのくらいの気圧がなければ到底不可能との見解からです。
(ただし、近年、他の研究者のあいだでは、1気圧以下の状況下でもプテラノドンのような翼竜は自由にとは言わないまでも飛べたとの見方がされているのが一般的とのことです。)
●水蒸気による地球環境
地球を覆うように存在した大量の水蒸気により、その他どのような地球環境が形成されるかというと、まず全世界をが温暖な気候を保っていたと考えられるといいます。
現在の地球温暖化の原因として有名な、二酸化炭素等の温室効果ガスですが、水蒸気もそれらと同様の効果をもたらします。
温室効果のある水蒸気に包まれていれば、地球が温暖な惑星になるのは当然考えうることですよね。
現在極寒の地である南極や北極などから温暖な海域でしか生息できないサンゴの化石が見つかったり、暖かいところでしか生息出来ない変温動物、恐竜やそれ以外の生物の化石が世界各地で発見されているのがその証拠といいます。
また、温暖化による年間を通して変わらない温暖な気候には、植物を世界中で大量に繁殖させたとも考えられています。
●豊富な酸素と外的ストレスのない環境が巨大生物を生む。
もう1つ大きな影響が、上空の水蒸気の層は宇宙からの有害な放射線等を遮断し、生物の細胞の破壊を防いでくれ、宇宙線だけでなく、紫外線、エックス線などの有害光線の影響からも守ってくれるといいます。
それから、温暖化により植物が世界中で繁殖していたと述べていますが、アメリカの地質学者ランディスと言う人が、琥珀の中の気泡に閉じ込められた当時の空気を測定したところ、酸素の量が30%、これは現在に比べるとかなり高い数値なそうで、これは繁殖した大量の植物が、これまた大量の酸素を生成していたことを表しているそうです。
豊富な植物からなる充分な食物、年間を通じて温暖・湿潤な気候、そして高い酸素濃度、大気圏外からの有害な放射線・光線の遮断、これらの外的要因は生物の巨大化、長寿に重要な影響を与えていると考えられるそうで、そのような好適な環境は生物のストレスを軽減し、成長ホルモンの分泌をうながしたといい、酸素の高濃度に関しても生物の巨大化や長命に有益であることは実験的にも確認されているそうです。
古代に巨大な恐竜や昆虫が生存できたのがその証拠ともいえないでしょうか?
●巨人種がいた可能性
さあ、ここで巨人について話を戻します。
巨人の記述で有名なのがもうひとつあります。「旧約聖書」のお話です。
旧約聖書の中には、「ネフィリム」と呼ばれる巨人の種族の記述が出てきます。天使と人間の間に生まれた者とされています。
ここからがポイントなのですが、その種族が存在したとされる時代は、聖書によると皆様ご存知の「ノアの箱舟」の大洪水、それが起こる前の世界なのです。
大洪水の前の世界、聖書における古代の時代が、先に述べたような地球環境であったなら、人類とは別の進化をたどった巨大な人型の種族がいた可能性や、そればかりか、その時代の人類自体が今の人類と比べ巨大であった可能性が出てくるのではないでしょうか?
そして、この説の興味深いところがこの後です。生物が巨大化しうる芳醇な環境はある自然災害により壊滅します。そうです伝説の「ノアの箱舟」の大洪水です。
そして、大洪水そのものが何によってもたらされたか?・・・ここに例の水蒸気の層が出てくるわけです。
●水蒸気が水に変わり降り注ぐ
地球を覆う膨大な量の水蒸気。
この水蒸気の層がある時水に変わり天から一気に降り注いだため大洪水が起きたというのです。
なぜそれまで安定していた水蒸気の層が、突然不安定化し、水へと姿を変えたのか?
それは地球への小惑星の衝突だったと考えられているようです。小惑星の衝突により、大気中に大量のちりが成層圏まで舞い地球を覆います。
太陽光線を遮断された地球は急速に冷えてゆきます。太陽光線と地球自体の温暖な気候により一定の高温を保ち水蒸気として安定していた水蒸気の層は冷やされ大量の水となり、雨として一気に降り注いだというのです。
●進化論と創造論
さて、そうなると「でも、洪水が起こるまえ、人類が登場する前に、すでに小惑星の衝突は起こっているんじゃないのか?それで恐竜も絶滅してるじゃないか?」と言う人も出てくると思います。
たしかにごもっとも。ですが、まあ例の小惑星からなる恐竜の絶滅は一般的とはいえ、あくまで数ある中の一説に過ぎないという考えのもと、今回の洪水絶滅説をご紹介いたしました。
今回の洪水絶滅説では、人類と恐竜を含む巨大生物が、地球上で同じ時期に存在していたと考られています。たしかに世界のいくつかの古代遺跡からは、それらを表す恐竜など思われる人工のレリーフ等が見つかっています。ただこちらもあくまで一説です。
今回ご紹介した考えは、もちろん現代の古生物史や、はたまた進化論などとは科学的に相容れない考えです。このような、地球と生物の成り立ちを聖書などの伝説とまじえて科学的に考た理論を創造論というそうです。
どちらが正しいなどとは私にはとても計り知れません。一般的な科学の解釈の上に発展した生活の恩恵を受けているのも事実ですし、また創造論の内容には時として驚くべき説得力をもつ一面が多々あるのも事実です。どちらも大変面白く、興味深いのではないでしょうか?